2007年12月07日

グリーン購入法ガイドライン改定案

国や政府機関での環境に配慮した製品やサービスの購入を推進する制度にグリーン購入法というものがあります。

具体的な購入基準は、環境物品等の調達の推進に関する基本方針(ガイドライン)で設定され、年1回改定されています。12月21日までの間、ガイドライン改定案についての意見募集が行われています。

グリーン購入法に係る特定調達品目及びその判断の基準等の見直しの概要(案)に対する意見の募集について

コピー用紙や印刷用紙など紙関係は、大きな変更案となっています。下がその内容です。

環境物品等の調達の推進に関する基本方針(変更箇所抜粋)

色々と変更箇所がありますが、注目は、古紙パルプのうち30%までをいわゆる環境に配慮したバージンパルプに置き換えてもいいという点です。

コピー用紙は古紙100%が基準ですので、最大限置き換えたとすると、古紙70%+環境に配慮したバージンパルプ30%、印刷用紙は古紙70%以上が基準ですので、古紙40%+環境に配慮したバージンパルプ30%+合法性確認パルプ30%となります。

これまで古紙を最優先としてきた基準が大きく考え方を変えることになります。

さて、こうした案に至る検討会の資料として下記が公開されています。

参考資料1 紙類の判断の基準の見直しについて(案)

再生紙をめぐる情報が溢れる中、ひとつの視点に偏らず、様々な角度からの検討を行っており、再生紙問題を考える上で、1つのまとまった資料として参考になります。

ただし、上記のような結論(改定案)となった経緯についてはよく分かりません。

従来より配慮事項として、バージンパルプの持続可能性確認についても、基準化されていましたので、今回の基準案は、単に古紙配合率だけ下がったようにも見えます。一方、資料では、古紙パルプ配合率の設定については、十分な時間をかけ検討する必要があるとして結論を避けており、矛盾しているように感じます。
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2007年09月10日

環境表示ガイドライン

環境省では、環境表示についてのガイドライン案を作成、ただいま意見募集を行っています。

環境表示、特にタイプII(ISOによる環境ラベルの分類)と呼ばれる自己宣言
表示では、企業が独自の判断で環境表示を行うもので、環境アピールとして積
極的に使われる一方、利用者に誤解を与えかねない表現、虚偽、誇張など様々
な問題が指摘されていました。

環境表示ガイドラインにより、環境表示の信頼性や透明性の確保、内容の検証性などを高め、結果として、環境表示が消費者に積極的に活用され、グリーン購入などを促進することにつながります。

これまでにも各種機関等で、環境アピールを行う場合の留意事項が示されてきました。

その1つ、公正取引委員会「環境保全に配慮した商品の広告表示に関する実態調査について」(2001年)では、

・「環境にやさしい」等のあいまい又は抽象的な表示を行う場合には、環境保全の根拠となる事項について説明を併記するべき

・「再生紙60%使用」等、環境に配慮した原材料の使用割合を明確にすること

とした上で、「環境保全に配慮していることを強調し、一般消費者に誤認される不当表示について、景品表示法に基づき厳正な対処」を行うと定めています。

しかし、未だに「環境にやさしい大豆油インキ」「再生紙を使用しています」といった表示をよく目にします。

今後、環境アピール、環境コミュニケーションの重要性が高まっていく一方、公正な環境表示もより一層求められると思います。そうした面でこの環境表示ガイドラインは重要な指針として位置付けられるのではないでしょうか。
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エコマーク「紙製の印刷物」認定基準改定

財団法人日本環境協会は、8月27日、エコマーク商品類型 No.120「紙製の印刷物 Version 2」認定基準を制定しました。

今回の改定では古紙リサイクルの推進が大きなポイントとなっています。これまでの古紙リサイクル阻害要因の不使用(ネガティブリスト)から、古紙リサイクルに対応した資材のみの使用(ポジティブリスト)へと対応が強化されています。またマークと合わせて表示する説明文も変わりました。

古紙利用率は、ダンボールなどの板紙は9割以上であるのに比べ、白さなど高い品質が求められる用紙では37%、中でも印刷用紙では27%と低いのが特徴です。古紙リサイクルの促進には、古紙の品質を高めること、すなわち用紙にリサイクルしやすい印刷物を増やすことが必要となります。

つまり、環境にやさしい印刷物とは、資材に再生品を使うことだけではなく、「印刷用紙にリサイクルしやすい印刷物」であることが大きな要素としてとらえられた基準であるといえます。

なお、エコマーク認定基準の特徴として、紙製の印刷物とは別に印刷用紙(No.107)、印刷インキ(No.102)の基準がそれぞれ設けられており、印刷物の基準中では、それぞれの基準を引いています。これらの基準も順次改定作業が進められているとのことですので、今後も注目が必要です。
エコマーク商品類型 No.120 紙製の印刷物Version2
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2007年07月04日

環境報告ガイドライン改定

環境省は「環境報告書ガイドライン(2003年度版)」を改定し、「環境報告ガイドライン〜持続可能な社会をめざして〜(2007年版)」としてまとめました。
「環境に配慮した投融資の状況」や「生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用の状況」などが加わりました。

あまり注目されていませんが、エコ印刷という視点では次の点が重要なポイントとなります。
環境コミュニケーションの状況について記載することが期待される情報・指標として、「広告・宣伝の方法や媒体等に関する環境配慮の状況」が上げられ、「委託先に外注している印刷物等(広告宣伝物を含む)も含めて記載することが期待されます」としています。

企業活動で使用する印刷物は、広告宣伝物などの占める割合が多いものの、実際には業務委託先(広告代理店など)で制作・配布され、製品のパッケージ・説明書などとは異なり、自社内への出入りがなく、環境報告の対象に含まない企業がほとんどでした。
企業に高い社会的責任が求められる中、こうした取り組みの拡大は重要になってくると考えられます。

「環境報告ガイドライン〜持続可能な社会をめざして〜(2007年版)」の策定について
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