前回の続きです。
ノンVOCインキとは、印刷インキのVOC成分を全て植物油や植物由来溶剤に置き換えたものです。
VOCフリーインキ、ベジタブルインキなど、メーカーによって呼び方は様々です。
乾燥時間がかかるなどの問題がありましたが、徐々に改良されており、環境報告書など、環境配慮に関心の高い印刷物で使用されています。
※エコ印刷研究会の調査では、環境報告書・CSRレポートでは26%、IRレポートでは12%のシェアとなっています。
先進的な環境配慮型インキであるノンVOCインキですが、いくつか問題があります。
最も大きな問題は、環境性能がはっきりしないという点です。
先ほどインキメーカーによって、色々な呼び方があると書きましたが、インキ業界では、統一した基準がなく、何をVOCとしているのか、VOCを全く含んでいないのか、1%未満なのか、よくわかりません。(特にVOCの定義については問題が大きいです。これはまた次回に)
2つめは、環境アピール効果です。
環境配慮マークでのアピールには、そのマークの普及度・知名度が重要です。同じようなマークがたくさんあっては、環境コミュニケーションのツールとしては適切とはいえません。
※エコ印刷研究会では、ノンVOCインキに分類されるマークを13種類確認しています。
先進的な環境配慮型のインキですが、一般の印刷物への広がりはまだまだです。
インキ業界にはぜひともマークの統一など普及促進に取り組んで欲しいものです。
2007年11月09日
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