2007年10月25日

FSC森林認証紙の広がり

紙の環境配慮は古紙パルプと、環境に配慮したバージンパルプの2つが両輪となります。

古紙の利用を高めていく取り組みは大切ですが、一方、古紙だけでは紙を循環させていくことはできず、バージンパルプの投入が必要になります。そのバージンパルプが環境に配慮され、持続可能であることが大切です。

中でも、高い品質が求められる印刷用紙は、バージンパルプの役割が大きく、古紙パルプの利用率は27%に留まっており、7割以上がバージンパルプです。

環境に配慮した森林資源の利用の取り組みとして、森林認証という仕組みがあります。

森林認証は、環境や社会に配慮し、持続的な森林経営が営まれている森林を認証(FM認証)し、その後の伐採会社、製紙会社、印刷会社など、各過程ともに認証(COC認証)を取得している会社により運用することで、認証をつなぐ強固なものです。


森林認証の仕組み


FSCはその代表的なもので、FSC製品には、認証事業者のIDの入ったマークが表示されます。

FSCマークこれまでFSC森林認証紙といえば、環境報告書、CSRレポート、会社案内など、環境への配慮が注目されるごく一部の印刷物への使用がほとんどでしたが、ここにきて、チラシやパンフレットなど、広告宣伝用印刷物にも広がっています。

中でも驚いたのがケンタッキーフライドチキンのチラシで、切り取ってクーポンチケットにもなる、いわゆる普通のチラシですが、一番下にFSCマーク、大豆油インキマーク、チームマイナス6%のマークなど、環境配慮をまとめて掲載しています。

営業メリットだけを考えれば少しでも宣伝を多くしたいところでしょうが、環境アピールにこれだけのスペースをとっているのは異例でしょう。すばらしい取り組みだと思います。

その他にも、交通機関の情報誌や不動産のお知らせなど、色々な場面で目にするようになってきました。

まだまだ一般的な認知度は低いと思いますが、これからの森林認証紙の広がりに期待します。
posted by eco-ken at 17:03| Comment(8) | TrackBack(0) | 印刷用紙

2007年10月24日

オフセットインキ工場見学会(第8回エコ印刷研究会)

第8回エコ印刷研究会セミナー&勉強会を11月20日(火)に開催します。
今回は、有数のインキメーカーである(株)T&K TOKA様のご協力のもと、オフ
セットインキ製造工場の見学会を企画しました。

□ オフセットインキ製造工場見学
□ (印刷知識編) DTP・CTPの研究
□ (実例研究編) 名刺の環境配慮

詳しくはエコ印刷研究会ホームページをごらんください。

第8回エコ印刷研究会のご案内
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2007年10月03日

第7回エコ印刷研究会のご案内

第7回エコ印刷研究会セミナー&勉強会を10月23日(火)に開催します。

□ エコマーク認定基準のポイント
□ (印刷知識編) 印刷原稿作成の研究
□ (実例研究編) 会社案内の環境配慮

詳しくはエコ印刷研究会ホームページをごらんください。

第7回エコ印刷研究会のご案内
posted by eco-ken at 16:50| Comment(4) | TrackBack(0) | お知らせ

2007年10月01日

印刷用紙の環境配慮表示

印刷用紙の環境配慮マークといえば、FSC森林認証マークや非木材紙、間伐材のマークなど様々なものがありますが、なんといっても、R100、R70などの再生紙使用マークが最も普及しています。R100マークと大豆油インキマークが並んで表示されているのをよく目にするものです。

再生紙は、紙の環境配慮を牽引してきた重要な取り組みで、今後も役割が代わるものではありませんが、一方で、バージンパルプの環境配慮も重要な課題として注目されています。先にあげた森林認証や間伐材などがその一例です。

これからの印刷用紙の環境配慮は、古紙パルプと環境に配慮したバージンパルプが両輪となって進んでいくといえるでしょう。

しかし、環境配慮表示を考えてみると、少々ややこしくなってきます。

環境に配慮したバージンパルプを使った用紙には、森林認証材、非木材、間伐材などパルプの種類によって、色々なマークがあって、古紙パルプを含め、複数のパルプを複数使った用紙に、どのように表示をするかは検討の必要があります。

マーク表示は、パッと見て分かりやすいのが大きな特徴ですが、再生紙マーク、森林認証マーク、非木材紙マーク…と並べて表示することが適切なのでしょうか。環境報告書など、じっくり見てもらえるものでしたら問題ないでしょうが、チラシやパンフレットなどでは、デザイン上も使いにくく、かえって分かりにくくなるのではと危惧しています。

印刷物利用者の視点で考えてみると、部分的な配慮より、全体としてどのような配慮が行われているのかの方が気になるのではないでしょうか。理想的には、古紙パルプの合計値、環境に配慮したバージンパルプの合計値をそれぞれデザインとして含むマークがあればいいなと考えています。(R70+G30みたいな形になるでしょうか)

印刷用紙の環境配慮表示さて、身の回りの印刷物にどのような表示がされているかみてみました。

□ GPNニュース(グリーン購入ネットワーク)
マーク:(用紙のマークではありませんが)GPN印刷サービスマーク
説明文:用紙…古紙配合率70%、環境に配慮したバージンパルプ26%(植林材18%、森林認証材8%)

□ au総合カタログ(KDDI株式会社)
マーク:R30(再生紙使用マーク)
説明文:植林木70%、古紙30%の無塩素漂白用紙を使用しています

ここで結論を出すことはできませんが、現在では、最もアピールしたいマークを表示し、それ以外については、説明文で掲載する形が一般的といえるでしょうか。ただし、配合割合についてもきちんと表示し、その合計ができるだけ100%に近いものであることが必要といえます。
posted by eco-ken at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境配慮表示

印刷物のグリーン購入

松下グループは「紙・印刷物購入方針」を策定し公表しました。

これまでも、紙製品については、森林保護の観点から、合法性・持続可能性を条件とするなどの購入方針を明らかにしている企業はありましたが、カタログなどの社外配布物を含めた印刷物についても明らかにしているところはまだ少ないのではないでしょうか。

すばらしい取り組みだと思います。特にリサイクルの阻害要因の排除を明らかにしている点は高く評価できます。

こうした取り組みの広がりを期待します。
紙・印刷物におけるグリーン購入の取り組みを強化 松下電器産業株式会社
posted by eco-ken at 14:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 企業の取り組み